神
神々が住むアビルの高地では長い戦いで荒れ果ててしまった世界をなんとかしようと、
    大会議が開かれていましたが、おろかな神々は激しく言い争いをはじめ、
    とうとうわちふぃーるどの守護神である雪の神は席を立ち、ノーストゥントリ山にひとり帰ってしまいました。

雪の神
       「アビルトークが滅びに向かっていることは、もうはっきりした。
「アビルトークが滅びに向かっていることは、もうはっきりした。
      おまえに言ったことを決行するときが来たようだ。わしは、わちふぃーるどをアビルトークから切り離し、守るつもりだ」
      「とうとう決心なさったのですね」ずっと悩んでいた雪の神の目がそれまでとはうって変わったように澄みきって見えたことに、喜んでいいのかうろたえていいのかわからず、セントニコラウスは言いました。
      「どうやって切り離すおつもりですか?その間、そこに生きるものにはどんな被害がおよぶのか、お聞かせ願えないでしょうか?
      セントニコラウスの問いには答えず、雪の神は言いました。
      「アビルトークから切り離され、わちふぃーるどは静かで白い平和な世界になるだろう。争いごともいっさいなくなる。そこに生きるものはいらないのだ」
      雪の神にとってのわちふぃーるどは大地でした。
      「わしがわちふぃーるどの守り神だからこそ、そうするのだ。雪と氷の世界こそ正しい世界だ。セントニコラウスよ。住むものなどいらないのだよ」雪の神はきっぱりと言い、それからすこし口調を和らげてつづけました。
    「わしは争いに疲れたよ。切り離しが終わったら、3百年ほどわしとおまえは眠ってくらそう。そのあいだ雪は降りつづけ、疲れがすっかりと癒えて起きたときには、わちふぃーるどは純白で無垢な世界に変わっているだろう。生きるもののことは、それからまた新しく考えていけばいいではないか」
 
   セントニコラウス
       セントニコラウスにとってのわちふぃーるどは、暮すものたちでした。大地はもちろんですが、動物や鳥、虫、妖精にエルフ、木々や森、花たち、魔物でさえも、そこに生きるものすべてをひっくるめたものが、セントニコラウスにとってのわちふぃーるどであり、それらを広い愛で包みこんでいました。
セントニコラウスにとってのわちふぃーるどは、暮すものたちでした。大地はもちろんですが、動物や鳥、虫、妖精にエルフ、木々や森、花たち、魔物でさえも、そこに生きるものすべてをひっくるめたものが、セントニコラウスにとってのわちふぃーるどであり、それらを広い愛で包みこんでいました。
      そして守り神である雪の神は、自分以上にわちふぃーるどを愛しているものだと思っていました。
      セントニコラウスは神ではなくその使従であり、雪の神に逆らうことは許されませんでした。
    『どうしたらいいのだろう。わちふぃーるどを救うために、何かわしにできることはないだろうか?いや、何かしなければいけないのではないか』セントニコラウスは考えました。
 
    
	*ちょこっと秘話! by 池田先生
   そしていよいよ雪の神は動き出した。
   雪の神こそ私にとって
意外な行動に出る人物。
ま、神様だから仕方ないけど。
	
 
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