アビルトーク

 
この時代のタシルは<大猫グラン>という通り名で四方に名をはせた強く賢い王に統治された堅固な王国で、長くよそ者の侵略を許しませんでした。
けれど、ひと月前発作を起こした王のグランは、その後も寝こんでいました。
セも何度か治療に山をおりはしましたが、痛みを少しやわらげる程度のことしかできません。
そして、このところの魔王はどうも強力な力を手に入れたようなのです。先日ワルプルギスの宴で死の森に出かけた魔族の報告によると、魔王はたくさんの踊る火を繰りだしてみせたという話でした。
「魔王は火のトリポカを手に入れたんだと自慢してたよ」この頃はキツネ森に魔族が多く住んでいましたが、そのうちのひとりの魔女は恐ろしそうに声をひそめて言ったものです。「これがあればどんな敵も思いのままだとさ」
そうなると、魔王は思いきってタシルに攻撃を仕掛けるかもしれません。
もうひとつ気がかりは、これはもうずっと続いていることで、セなどの手に負えるものではありませんが、アビルトークという世界がどうなるのかということでした。セにはアビルトークが滅亡への道をたどっているように思えてなりませんでした。わちふぃーるどはアビルトークのほんの一部だけれど、わちふぃーるどだけでもなんとか守りたい、セは強くそう思いましたし、セントニコラウスが同じ気持ちであることを聞いて少し励まされたものでした。
「わちふぃーるどからアラルの海をはさんだ東の国では、さらに東に住む人間との間で戦いが起こっている」セントニコラウスはその時に言いました。「東の人間は海を渡るということをいずれ思いつくだろう。海を渡ればタシルに上陸することになる」

アビルトークのわちふぃーるどを覗いてみましょう。
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