プロローグ


「こいつを閉じこめておけ」
バジリスクは牢番に命じ、ダヤンを石の床に投げだすと、またシューシュー気味の悪い音を立てて引き返していきました。
「気の毒になあ。まんだ若けえのに」
牢番は化け物ながらも気が優しかったので、ダヤンをそっと抱き上げると牢に運んでいき、ベッドに寝かせてくれました。
「ここはどこ?」
目を覚ましたダヤンは暗いなかで叫びました。
牢から出ようとしていた牢番は振り返って言いました。
「地獄の一丁目だあ。あんた目を覚まさない方がえかったに」そして近よってくると灯りを掲げ、ダヤンの目をのぞきこみました。
「いい目してるね。気の毒に」
灯りを下から牢番の顔は恐ろしく、また悲しげでもありました。
まだ事情がのみこめず、呆然としているダヤンの前で扉は閉められ、ガチャリ・・・・・鍵がかかりました。

 

トップページ月の展覧室アニメーション宝さがしQ&A不思議な国の美術館の地図

(C) Copyright 2006.Wachifield Licensing.Inc.All rights.