ダヤン

アルスで7月7日11時にトムより産まれました。
3匹兄弟の長男です。

アルスで一緒に暮していたリーマちゃんのお誕生日にダヤンはヨールカの扉を通って、わちふぃーるどへとやってきました。

わちふぃーるどでは、街一番の人気者になり、特別な力を備えた猫としてさまざまな場面で大活躍です。
ちょっと、 ミステリアスでマイペースでそっけないけれど、やさしくて友達思いなダヤンは魅力いっぱいです。

エピソード:「ダヤンのトランク」
いよいよ猫会議が近づいてきました。
ダヤンにとって旅行という旅行はまったくの初めてです。2月に入ってからというもの、ダヤンは足が地につかず、旅行のことばかり考えていました。
「いったい何を用意したらいいのかねぇ。」ダヤンはたまたま遊びに来ていた、スカンクのだんなに相談しました。
「そりゃあんた、まずトランクがなくちゃ。」スカンクは言いました。「トランクがありゃ、中に入れる物なんてトランクが教えてくれるよ!ちょうどうちに旅慣れたトランクがあるから、よけりゃゆずってやるよ。」
というわけで、ダヤンはトランクを7ルビーでゆずってもらいました。本当は、トランクは、スカンクのだんながタシルの街はずれのゴミすて場からひろってきたものでした。
トランクは旅のことなら何でも知っていました。そして、あれこれとダヤンにアドバイスしてくれましたが、言われたとおりのものをつめると、トランクがキチキチになってしまいます。おまけにダヤンの持っていきたいいわしのかんづめや、魚のソーセージはどうしてもいれさせてくれません。ようするに、四角四面のトランクなのでした。
「歯ブラシなんて、いらないよ。」
「とんでもない、歯ブラシがなくてどうするんです。わしの持ち主だったドーシカ公なんかは、泊まる数だけ持っていったもんです!」
「猫は歯なんか磨かないんだよ。」
「歯を磨かないって、うへっ、こいつはたまげた。」
トランクがあざけるように笑ったので、ダヤンはすっかり腹を立てて、台所の方へ行きかけました。が、これもまた入れるかどうかもめていた、焼酎のビンにつまづいてしまい、スッテンとひっくり返ってしりもちをついてしまいました。それをみていたトランクは大口を開けてゲラゲラ笑いだし、あんまり笑ったので、とうとうちょうつがいがはずれてしまいました。
ダヤンは壊れたトランクを、タシルの街の、何でも屋のトムの所へ持っていって直してもらいましたが、金具はすべてつけかえになりました。
そしてま新しいトランクは、もう何も言わなくなり、ダヤンは好きなものをつめることができましたが、トランクの顔を立てるために、歯ブラシも持っていくことにしました。

(C) Copyright 2006.Wachifield Licensing.Inc.All rights.