トム

アルスで長いのら猫生活の後、リーマちゃん一家に落ち着いた猫で、ダヤンのお母さんです。

トムという名前は、ダヤンたち3匹を妊娠するまで、リーマちゃん一家の誰もが、トムのことをオス猫だとばっかり思っていたため、トムという名前をつけてしまったものでした。

トムは、しっかり者の優しいお母さんで、ねずみとりの名人でもありました。
ある日、ダヤンの二匹の兄弟をかばって交通事故で亡くなりました。
エピソード
リーベントヒル駅前広場行きのバスの運転手ビリーは、小さなかたまりがふたつちょこちょこと道路を横切ろうとしているのを見つけ、あわててブレーキを踏みました。
キキーッ、タイヤは恐ろしい悲鳴をあげて、いねむりをしていた乗客は座席から転げ落ちました。そして、バスが止まる直前、ビリーは何かが風のようにバスの前に走りこんできたのを見ました。
「ああ!」ビリーは急いでバスを降りると、避けられなかった災難をさがしました。そして、反対車線でそれを見つけると、対向車を止め、せめて横にどけてやろうと、横たわっている白っぽい猫のそばにしゃがみこみました。
「おや、子猫のようだったが」そう思いながら猫を抱き上げると、その下からニャーニャーなきながら子猫が二匹這いだしてきました。
「トム!」かん高い声がして、女の人と子どもが走ってきました。
「しかたなかったんだよ。おじょうちゃん」ビリーはすまなそうに言いました。
「だけど、この猫はえらいや。しっかり子どもを守ったよ」

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