蓼科の冬

Tateshina Diary

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わちふぃーるどと同じ空気が流れている蓼科。
池田あきこ先生の蓼科の冬の思い出をご紹介します。
楽しいおはなしがいっぱいです。お楽しみ下さい!!

わちふぃーるど-2007年1月展示「蓼科の冬」次のページ

雲がどんどん流れてゆく。
うちのある山のほとんどてっぺんまで登ってきたのに、こんな所にまでマンションが建っている。
そのとなりの丘も雪が不自然にたいらで大きなチーズケーキみたいだ。
ふーん、春になったら又ここにも建つんだ。
こんなふうに人間たちがどんどん山の上の方まで侵入してくるのを、まわりに聳える山々はどう思っているんだろう?
ここをねぐらにしていた動物たちはどこへ行ったのだろう?
風はビュービューうなって、積もっている雪がサーッと舞い上がる。
雪の中を歩いて行くとズボリ、ズボリ、いちいち膝のあたりまで落っこちる。
歩いて登ってきたら遭難するところだけど、車できたので、ちゃんと暖かくして帰っていける。
山の木を切って、動物を追い出して作った快適な家へ・・・・・
「なあ、そういうおまえはどうなんだ?」 雪を頂いた山々の声が聞こえてくるようだ。

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